日本の国民的スポーツとも言える野球の人気は、
衰え知らずで年々高まっています。
プロ野球もそうですがMLBでの日本選手の活躍、
あるいは夏の風物詩とも言える高校野球甲子園大会も、
ますますその人気を集めています。
少年野球の正しいバッティング理論とは?
少年野球に限らず「野球のバッティング理論」は、
星の数ほどあります。
体の開き・脇締め・最短距離を上から叩く・右肩左肩動作
軸足・グリップ握り・ステップ足・スイング・フォロースルー
挙げればキリがないほどバッティング理論は数多くあります。
しかし「体の開き」ひとつとってもどの程度の開きが、
バッティングに良くないのか・・・
あるいは「ボールを上から叩く」と言った理論も、
一部では完全否定されたりしています。
つまり「バッティング理論」と運動物理学に則った、
不変的なものよりどちらかと言えば、
体験者の感覚的な技術理論が多いことも確かです。
野球(バッティング)経験者が指導する場合、
「バッティング指導方法」は指導する人間によって違ったり、
最悪の場合「感覚的な場当たり的な教え方」に、
なることさえあります。
では「バッティング理論」には絶対的不変な運動理論による、
「正しいバッティングの教え方」は存在しないのでしょうか?
手塚一志氏のバッティングの原理
「シンクロ打法」あるいは「うねり打法」で、
その名前が一躍有名になった手塚一志氏は、
徳島池田高校で野球選手として活躍後大阪体育大学に進学。
その後運動力学などを学んでプロ野球の日本ハムや、
ダイエーホークス、オリックスでトレーニングコーチを経験。
阪神タイガース優勝の2003年には当時の星野仙一監督に招へいされ、
春先のキャンプで臨時のバッティングコーチを務め、
選手たちの打力アップに貢献したと言われています。
手塚一志氏はその後数多くの野球書籍を出版されますが、
運動物理学的に則った正しいバッティング理論を根底に置いた、
「バッティングの原理をベースにした7つの必須モーション」
は野球界を席巻したとまで言われています。
手塚氏いわく、「野球のバッティング理論は星の数ほどあるが、
不変のバッティング原理は一つです」
つまり、「バッティングの原理とはピッチャーによって投じられたボールを、
正確にバットの芯で捉えより強くより遠くへ飛ばすための不変の理論」
と言えます。
少年野球の正しいバッティングの指導のコツとは?
そういった不変のバッティング技術論を正しく理解していれば、
野球少年たちにも正しいバッティング法が教えられるものです。
とは言え小(中)学生が相手ですから私の体験上でも、
小難しい技術論を説いても理解できないのは確かです。
そうなると野球少年には「技術論」より「正しい練習法」を、
実践することが先決になってきます。
手塚一志氏の「バッティングの原理」をベースにした、
バッティング必須モーションは7つあります。
◆揺らいで◆踏んで◆乗せて◆運んで◆割れて
◆ズラして◆巻き取る(うねる)
この7つのモーションを100%理解して実践している野球選手は、
プロ野球でも数えるほどしかいません。
たとえばあのイチロー選手ですね。
もちろんこれは「原理」であってそれをすべて実践しなければ、
すばらしい実績が残せないという話ではありません。
日本が生んだ大打者松井秀喜さんでさえ6つのモーションで、
あれだけの記録を残しています※
※2番目の「踏んで」のモーションがなかった松井選手は、
読売巨人軍時代にスランプに陥った時、
手塚一志氏のアドバイスでその日のナイター試合で、
ホームランを打ったエピソードはあまりにも有名です。
では少年野球のバッティング指導のコツですが、
7つあるバッティング必須モーションすべてを、
野球少年に教える必要もありませんし、
むしろそれは不可能な話です。
野球少年への指導のコツは以下の3つの原理を指導することで、
飛躍的にバッティングレベルはアップしてくれます。
1、相手ピッチャーとのタイミングを取ること。
2、投じられたボールをインパクトまで見続けること。
3、ボール軌道に沿ったバットスイング軌道を教えること。
2と3に関しては素振りやトスバッティングで十分練習は可能ですが、
1のタイミングについてはやや難しくなりますので、
練習でもちょっとしたコツが必要になってきます。
タイミングの話をしますと、仮にバッターにパワーがあって、
正しいスイング軌道でバットをシャープに振ろうと、
ボールが到達する前にバットを振ったりキャッチャーミットに、
ボールが収まってからスイングしても、
「絶対バットには当たらない」
のです。
つまりタイミングが合わなければ、
「バットを振ってボールを打つ」
という基本的なことが不可能になるのです。
バッティングにおいてはタイミングさえしっかり合えば、
少なくともバットはボールを捉えることができるのです。
逆論法で行けばプロ野球でも高校野球のピッチャーでも、
球速のあるボールを投げる以上に大事なテーマは、
「いかにバッターのタイミングを外すか」
なのですね。
少年野球の正しいバッティングの練習方法とは?
野球少年たちは打つ練習が大好きです。
守備練より走塁よりバッティング練習が大好きなのですね。
しかしそれは実践に則したフリーバッティングであり、
素振りやトスバッティングはあまり好きじゃありません。
でもここは心を鬼にしてこう言って上げてください。
「ヒットやホームランを打つには素振りやトスバで、
しっかりバッティングフォームを作り上げないとダメなんだ!
三振やボテボテのゴロよりヒット打つ方が気持ちイイだろ?
それなら素振りやトスバをしっかりやってからだよ!」
素振りではスイング軌道を徹底的にチェックしましょう。
正しいスイング軌道とは「レベルアッパー軌道」です。
投じられたボール軌道は万有引力の法則を持ち出すまでもなく、
角度の差こそあれ必ず上から下に落ちるのです。
ボール軌道に合わせたスイングはレベル(地面に対して水平)
からやや上に向かって振り抜く「レベルアッパー」がベストです。
間違っても「上から最短距離で叩け」とばかり、
悪癖スイングと言われるダウンスイングなど、
絶対教えるべきではありません。
素振りは漫然とバットを振らせるのではなく、
指導者がそばにいてスイングするコースを指示しましょう。
「外角低め!」「外角高め!」「内角低め!」「内角高め!」
そして「ど真ん中!」などです。
そのコースに向けてバットを振る野球少年のスイング軌道が、
「レベルアッパー」になっていることをチェックしましょう。
トスバッティングではスイング軌道プラス、
「ボールインパクトの瞬間まで投じたボールを見続ける」
練習を徹底しましょう。
バッティングの原理による正しい練習方法を教えます。
前述の手塚一志氏の数あるバッティング書籍を読み解く時間や、
それなりのバッティング知識がある方なら良いのですが、
そうでない場合は9回無料配信限定の、
「伊能 優介ベースボールセミナー:
野球少年バッティング力アップ☆4つの秘策☆」
でぜひ学んでください。
特に「タイミングの正しい取り方」については必読です。
写真やイラストを元に野球初心者さんでもわかりやすく解説しています。
※本記事担当:伊能優介(少年野球チーム代表総監督)